前々から考えてたことがある。
別にそこまで悪いことじゃないよ?寧ろ向上すること。
ウォンカさんのことをファーストネームで呼んでみたいだけ。
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
この工場内では珍しく、シーンとしてる。
と言ってもこの空間が少し賑やかだけどね。
私は今、ウォンカさんと実験室へいる。
此処では日夜問わず新しいお菓子の実験を試みてる、工場内の脳みたいなところ。
ちなみに "チョコレートの滝" は例えるなら心臓とでも言えるのかな?
とにかく、私たちは今工場内で2番目に大切な場所にいる。
この部屋は、私たちが喋らなくても騒々しい。
機械たちがそれぞれお話をしてるように色んな音を立てている。
「・・・うーん・・・なんで出来ないかなぁ」
なんて独り言を言ってるウォンカさんはというと、ガム製造機の前で仁王立ちしてる。
ほら、バイオレットが噛んでとんでもないことになったガムがあるでしょ?
あれの改良版を作ってるらしいんだけど、行き詰ってるみたい。
「、食べてみるかい?」
一つ出来上がったものを持ち、ウォンカさんは真剣な面持ちで問いかけてきた。
勿論私の答えはNo。
「私をバイオレットのようにして追い出したいなら食べますけど?」
そういうと、彼は笑いながら 「冗談に決まってるじゃないか」 と言ったけど・・・ちょっと安心できないかも。
一通りの会話が終わり、再びしんとした時間が戻ってくる。
どうしてもうまくいかないんだって。
デザートが終わったところまではいいんだけど、今回のは再び同じ味を巡ってしまうらしい。
2順目のメインでバイオレットのように膨らんでしまう・・・んだって。
さっき一度だけ見たんだけど、膨らんだウンパ・ルンパは今度は肉のような茶色になってた。
何処がいけないんだろう・・・と、考え込むウォンカさん。
・・・え?私も考えてるのかって?
いいえー?そんなことないじゃない。
私はただ彼が向かう場所に付いて行ってるだけ。
実は私は私で考え事があったりもするわけよ。
前々から実行してやろうと思ってたことがある。
それは、 "ウィリー・ウォンカさんをファーストネームで呼ぶこと"
!!
ふっふっふ・・・絶対驚くよね!!
そうとは知らず、ウォンカさんはというと。
どうしても完成させたいんだろう、ガム製造機の前で腕を組み、考え込んでる。
ガンガンドンドンとそれぞれ会話を繰り返す機械たちの言葉を聞いてるのかな?
考えてる姿も可愛いなぁなんて思って、思考をとめる。
そうじゃないでしょ私!!
ブンブンと頭を振ってたら、ウォンカさんの視線を感じてしまった。
不思議がってるよね、この人のことだから。
疑問を見せたら計画丸つぶれなのに・・・と、ゆっくり見てみる。
ところが、そうじゃないみたい。
ぱぁっとまるで蛍光灯が付いたように笑顔になってる?なんでだろう・・・。
「そうか、振ってみよう!!」
「へ?」
青白いけど可愛らしい笑顔を見せたかと思ったら、今度は大きなガム製造機をがっしり掴んで振り始めた。
・・・へ!?
「ちょっ、ウォンカさん壊れちゃいますってば!!」
「いやいや、君がやった通りさ!」
「違うんですってばー!!」
「考えてもわからないなら本人に訊いて見るんだよ、!」
グワングワンという効果音が似合いそうに、左右に傾くガム製造機。
このままじゃ壊れる!どうにかウォンカさんに離れてもらわないと!!
ガム製造機を揺らすウォンカさんを止めるべく後ろから引っ張る私・・・
なんか此処をチャーリーが見てたら変な人たちに思われそう。
だけど私はこのアホなガム職人を止めるので精一杯だった。
だけどこんな職人も男の人、私より力が強く、いくら引っ張っても離れてくれない。
どうしよう、と心の中で考えをめぐらせ始めた私をよそに、ウォンカさんは次のように言った。
「見てごらん!ガム製造機にも気持ちが通じてるさ!!」
・・・どう見ても限界って言ってるようにしか見えませんってば!!
考えなんてめぐらせたところでどうこうなる問題じゃない。私は持てる力を全て使って引っ張った。
カラフルな色だったガム製造機は一変して真っ赤に変色していった。
バァン!!
「限界だ!!」 というかのように破裂したガム製造機を見た私たちは、その瞬間紫色の液体を頭から被ってしまった。
「・・・・・・・・・・何です、これ」
「・・・・・・・・・・ブルーベリーかな?甘い匂いでいっぱいだ!」
ガム製造機と同じく、私も怒りが限界にきたみたい。
「何が "いっぱいだ!" ですか!!!壊れちゃって私たち紫色になってるんですよ!?」
「バイオレットと似てるじゃないか」
少しふてた口調になってそう言う工場長。
最近反抗期?・・・じゃなくて、ここは怒らなくては!!
「機械だって生きてるんだから、無茶しちゃダメでしょうが!!!!」
いつも以上の大声を出して、一喝してやった。
すると少しの間黙ってガム製造機を見つめたウォンカさんは、しょぼんと項垂れてしまった。
「・・・ごめんね、・・・ガム製造機さん」
私が "生きてる" なんて言ったから、思いっきり擬人化してるけど・・・まぁいっか。
謝ったから、私も笑顔になった。
「じゃあお風呂に入りましょ」
「そうだね!このままバイオレットと一緒だったら吐き気がする!!」
そう言って彼は先に歩き出した。
吐き気って酷いなぁ。まぁいーけどさ。
私はそう思って・・・閃いた。
「・・・・・・・・・・・・ウィリーさん・・・・・・」
「え?」
振り返ったウォンカさんは、幼さも何もかも脱ぎ捨ててて。
いつもなら可愛いと思う私も、この表情ばっかりは“かっこいい”としか思えなくて。
照れたように微笑むことしか出来なかった。
「今、ウィリーって言った?」
「さぁ?」
「ねぇ!」
・・・・・・やばい、かっこいい。
「・・・ダメですか?」
驚いた表情をしていたウォンカさんは、嫌がっていたというより寧ろ喜んでいたように見えた。
その顔が私の心を射抜いて離さなかった。
その表情はやがていつもの笑顔に戻り、首を振って喜んでくれた。
「そう呼んでおくれ!!僕もって呼んでるんだから!」
そう言うウォンカさんの表情がさっきと違って、また可愛く見える。
あぁ、どんな顔しても私の中では一番輝くんだね。
それはこれからもかわらないんだね。
私は満面の笑顔を見せた。
「・・・さぁ、どうでしょう」
author's comment...
えー、こんな感じでいいですかねぇ。
駄文です、おもっくそ駄文です。もう解りきってるんですよね(遠い目)
チャリチョコのレンタル開始しましたね。
可愛いウォンカさんが手元に届くようになって、ファンも増えたことでしょう。
喜ばしいことです!!
・・・チョコレートは当分いらなくなると思いますが。(なった人)
ダイエットに最適ですね♪
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「・・・どうしたんです?ボーっとしちゃって」
その言葉に彼は気付いたように私と焦点を合わせた。
「・・・は本当に美人だ!」
「へ?なんでそうなるんですか!」
「秘密だねー」
まさか私の笑顔に見とれてたなんて、この人は言わない。
フフフと笑っている彼を、唯不思議そうに呼ぶことしか出来なかった。
「ねぇ、ウィリーさんってばぁ!」
" I will call you by a name in future. "