Very Short Story - White rabbit -

 私のイメージって、何?
 チャーリーに言ってみると、“白いうさぎみたい”って返された。

 ・・・ウォンカさん、私のイメージって何?



「チャーリーは良いことを言うね!」
「えっ!?ってことは私のイメージって・・・」
「そう、白うさぎさ!」


 ・・・え。
 そうなんですか?ウォンカさん。
 白うさぎって・・・第一うさぎって、なんか私っぽくないような・・・


 ノエルさん曰く、私は“チョコレート”だって言ってたけど、それはまぁ納得できる。
 だってチョコレートは好きだし、結構売れてたし。
 でも“うさぎ、しかも白”って!?


 チャーリーに「なんで?」って訊いてみたところ、彼は

「ウォンカさんに訊いてみたらいいとおもうよ」

 と責任を放棄したから、こうやってウォンカさんのところに来てるんだけど・・・



「え、何で白うさぎ?」

 素直に聞いてみた私をきょとんと見返して、ウォンカさんはニコッと微笑む。

「希少価値が高いだろ?」
「高くないと思いますけど・・・」
「それに可愛い!」
「その言葉は嬉しいです」
「あと小さいから」
「はぁあっ!?何ですかそれー!!」

 バシッと肩を叩いてツッコミを決めてやった。
 でもウォンカさんは「やばいこと言った?」ってしょぼくれた表情をして見つめてきたけど。

「私は小さいイメージなんですか!」
「それだけじゃないさ」

 両肩をしっかり掴み、めちゃくちゃ顔を近づけて言う。
 うわ、近い近い!
 恥ずかしいよ・・・カァッと頬を赤らめてしまった。


「希少価値の高さと可愛さ、そして小柄さ。それら全てを持ってる!」
「・・・だからなんです?」
「白うさぎは大好きだよ!だって君が大好きだからね」

 ウォンカさんにとってはなんでもない日常の一言に過ぎないと思う。
 それでも私だって一応女の子・・・ドキッとしてしまった。


「・・・ウォンカさん、一つお願いしていいですか?」
 顔が近いけど、微笑んだ。
 こんな至近距離で笑えるなんて、思えなかったんだけどね。


「白うさぎのチョコレート作ってください」
「喜んで作ろう!!」

“お願い”がわかってたみたい。
 即答してくれたんだもん。



 後日、ふわふわの粉雪衣装をまとった白うさぎがウォンカさんの掌に乗っていた。

 希少価値が高いかどうかは知らないけど、確かに可愛さと小柄さはある。




 私って、こんなイメージなんだ。

 そう思うと、なぜか嬉しくなっちゃった。