■ 鼠を追い出そうとして、家まで焼くな

 人通りが無くなった、午後九時。
 外と同調した薄暗さを持つ店内は、もう閉店後だと伝えているようなものだ。閉店後もいつもスタイリッシュな雰囲気が漂う喫茶店は、今日ばかりは違う雰囲気を醸し出していた。店内の電気は点いていなく、テーブル上には燭台が置かれ、白く長細い蝋燭が、二本立てられている。
 人影が蝋燭の炎に照らされて、揺れた。五人が蝋燭の周りを囲んでいた。
「呼び出したと思えば、何をするんだ」 成瀬だ。呆れた顔で隣のを見た。
「夏といえば、怪談でしょ」 嬉々とした声を高らかに上げる。 「怪談はよく知らないから、都市伝説を話そうと思って。高校のときにやらなかった?」
「やったっけ?」 響野の隣に座っている久遠が怪訝な面持ちをした。 「ちゃんは去年まで行ってたからね」
「私は覚えているぞ」 の隣の響野が手を挙げた。 「成瀬の怖がる顔が見たくて、みんな必死で話していたな」
「あぁ、お前が物凄く怖がっていたことは覚えてるよ」
「それにしても、都市伝説なんて知ってるの?」 成瀬と久遠に挟まれて、雪子が漏らす。 「怪談のテレビを観たほうが良いと思うんだけど」
「ちょっと雪ちゃん、知ってるに決まってるでしょ。寧ろ都市伝説に関してはエキスパートよ」 が不敵な笑みを浮かべた。 「洋書探しに外国へ行ったときに、教えてもらったの」
 なるほど、と成瀬が頷いた。外国の都市伝説なら知らない話もあるかもしれない。
 カウンターからアイスコーヒーを持ってきた祥子が、楽しそうに笑った。 「ちゃんが 『怪談したい』 って言ったから、あの人が支度をしたのよ」 これを親バカって言うのよね、と成瀬の前にコーヒーを置きながら続けた。
「別にあたし、響さんの娘じゃないんだけど」 苦笑しがちには呟いた。
「比喩的な表現としては、ぴったりだけどね」 久遠が茶化した。 「で、この蝋燭は何?」
「これは、あれだ。雰囲気を出すために置いてみたんだ」 微かな振動で揺れる炎を見て、補足した。 「怪談というのは、こういう雰囲気じゃなかったか?」
「響さんグッジョブ!」 が楽しそうに声を上げる。この何とも言えない空気が、どうしようもなく面白かった。
 蝋燭の火の揺れが収まった。張詰めた空気を一瞬感じる。
「ロマンはどこだ」 面白半分で、響野が言った。
 それに乗るように、 「あたしたちの中に」 と呟く。始まりの合図だ。
 まるで、これから成瀬たちが銀行を襲いに行くような錯覚を覚え、高揚感を感じた。


「これは、実際にあった話です」 と、前置きを据えて、は話し始めた。
 昔、イギリスであった話だそうだ。電子レンジが普及し始めた頃に起きた。その日は土砂降りで、傘なんて使い物にならないほど、雨が降っていた。滝のような雨が降っていたことに、驚いた老夫婦は、一匹の猫が帰って来ていないことに気付いた。その猫は、子供が居ない老夫婦にとってはかけがえの無い存在であった。小柄な猫だったため、この雨に呑まれて死んでしまっていないだろうか、と心配していたその時。小さな鈴の音が聞こえた。その猫が着けていた鈴だ。まさかと思いつつも、玄関へ行くと、そこには毛が濡れそぼった猫が。豪雨のせいで、みすぼらしい姿となっていた猫を見て、老婆は安心したとともに可哀想な思いに駆られた。どんなに大変な思いをして、帰ってきたのだろう。
 猫を抱きかかえると、すぐさまタオルで拭いてやった。少しでも早く乾かしたかったのだ。だが、いくら拭いても水気は取れない。動物の毛は水気が取れにくいから、当たり前だ。それでもどうにかして水気と取ってやりたかった老夫婦の目に、電子レンジが留まる。そうだ、これで乾かせばいいのだ。脳裏に名案が浮かんだ。電子レンジを保温のために使うことは老夫婦も知っていた。これなら数分で猫を乾かすことが出来るかもしれない。思うや否や、老夫婦は猫を電子レンジに入れた。ダイヤルを回す。ガラス板の上で回り始めた猫は、最初は悲鳴のように鳴き声を上げていたが、あっという間に動かなくなり、やがて徐々に膨らんでいった。
 保温完了のベルが鳴り響き、扉を開けた老夫婦は絶句した。猫は、二度と動くことは無かった。焼死した猫は全身が水ぶくれのように膨らんでいたからだ。


「それ以降、電子レンジの注意書きには、 『濡れたペットを乾かすのに使ってはいけません』 という注意書きが書かれるようになったのでした」 話し終えたが、一礼した。そしてコーヒーを飲みながら反応を見る。
「何それ、酷すぎ」 逸早く久遠が言った。動物愛護が趣味の久遠にとっては、話よりも猫の末路の方が気になって仕方が無かったのだろう。 「そんな無責任な人がいるなんて、イギリス人は最低だね。僕、絶対イギリスには行かないよ」
「いや、架空の話だろ?」 響野が引き攣った笑みを見せた。 「な、そうなんだろ? 
「そこが定かじゃないのが、都市伝説なのよね」 腕を組んで、頷く。実際、この話には続きがある。その老夫婦が電子レンジの製造会社に訴訟を起こしているのだ。普及したてと言うこともあり、マニュアルに 「ペットを入れてはいけない」 と書かれていないからだ、と訴えたそうだ。メーカーが敗訴したということも聞いた。だから本当かもしれない、と心のどこかでは思っているのだ。
 それを知らない雪子が、冷静に言った。 「電子レンジに猫を入れるなんて、信じられないわ」
「いや、実際イギリス人はそれをやったんだよ」 久遠が吼えた。 「可哀想に、その猫」
「お前はイギリス人の何が分かるというんだ」 響野が引き攣った呆れ顔を見せた。
 久遠と響野のやり取りを聞きながら、は成瀬を見る。成瀬は先ほどと全く同じ表情だった。怖くなかったのだろうか。 「成さん、どうだった?」
「よく出来た話だが、面白かったよ」 の問いに、成瀬は怖がるどころか笑みを見せた。やっぱり手ごわい。
「でもね、成さん。あれ本当かもしれないんだよ」 意地悪のつもりで言ってみた。
 すると今度は、感心こもった顔をされてしまった。 「嘘には聞こえないな? 電子レンジに猫を入れた人が、イギリスにはいるのか」
「そんな興味のある表情されてもね」 思わず苦笑してしまった。この話は響野や久遠には効果があったみたいだが、雪子と成瀬は怖がってくれなかった。失敗だ。
「つ、次の話行くよ!」 名誉挽回、とばかりには言った。


 これは、確か日本の話だ。とても月夜が美しい、ある夜。ある男がマンションの一室から美しく輝く星空を見上げていた。あまりにも綺麗で、星々を眺めていた。ひときわ輝きを放っていたのは、オリオン座だ。普段は星空を見上げることなんてしなかったが、男はついつい見惚れてしまっていた。
 ふと、向かいのマンションに目をやった。丁度同じ高さの一室から、女性が同じように上を見上げているのが見えた。恐らくその部屋の住人なのだろう。男と同じく、ついつい見惚れてしまっているのか、ただ、見上げていた。空を見上げてしまったのは自分だけじゃないのか、と思わず安心してしまった。星空が綺麗だったとはいえ、空を窓越しに見上げるなんて馬鹿なことはしないだろう、と思っていたからだ。
 それから、男は夜空をよく見上げるようになった。星を眺めたいからではない。男が夜空と共に目を向けていたのは、向かいのマンションの女性だった。男が夜空を見上げる日は、必ず彼女も見上げていた。自分達はなんて気が合うのだろうか、と思った。そして、男は次第に彼女に恋心を抱くようになっていった。
 いつも、話しかけてみたいと思いつつも、どんな話題があるのだ、と思い直してしまっていた。だが、きっかけを見つけた。明日くらいに流星群が通るみたいだ。これを話題にすれば、きっと星をいつも見上げている彼女は気に入るのではないだろうか。男は偶然目にしたニュースに感謝しながら、軽い足取りで向かいのマンションに足を運んだ。
 場所はいつも見ているため、確認済みだ。いつもはチャイムまで鳴らせなかったが、今日は決心して、押してみた。ピンポーン、と気楽なチャイムの音が部屋中に鳴り響く。だが、女性は出てこなかった。おかしいな、と思いながら何度か押してみても、状況は変わらない。せっかく決意したのに、留守か。男はあからさまにがっかりして、開くはずがないと思いつつも、ドアノブに手をかけた。捻って、手前に引いた。なんと、ドアが開いたではないか。
 中に彼女がいたらどうしようか、と思いつつも、好奇心に負けてしまった男は部屋に入った。ドアを閉め、歩き始めると、何か変な異臭に気付く。何かが腐ったような、いや違う。とにかく異臭だ。恐る恐る、窓がある部屋へ歩いた。恐らくその部屋が、いつも男が向かいから見ていた部屋だ。覗き込んだ男は、信じられない光景に発狂してしまった。
 女性は、吊るされていた。首を吊って死んでいたのだ。真顔で、窓に顔を向けていた。首を吊って死んでいる姿が、男には、夜空を見上げているように見えたのだ。


 話し終えたは、勝ち誇った顔でコーヒーを飲む。 「どう?」
「な、なんかギャップが凄いね」 今度も久遠が逸早く言った。 「そんなに見えるものなの?」
「あのな、久遠。都市伝説と言うのは架空の話なんだ」 小刻みに震えながらも、響野は平静を保った表情を見せていた。だが、内心で酷く怖がっているのはでも分かった。現に、カウンターの向こうに立っている祥子が笑っているではないか。
「でも、ずっと同じ位置だったんでしょ」 雪子は、目を細めて言った。 「誰も気付かないのかしら」
「分かってないな。これは架空の話なんだぞ」 雪子にも言っている。半ば自分に言い聞かせているようにしか聞こえない。
 雪子は響野に呆れた視線を向ける。 「そうね。でも結末には驚いたわ」
「最初の方だけ聴いたら、何処にでもありそうなラブストーリーなのにね」 と、苦笑いで久遠が言った。 「もしかして響野さん、怖いの?」
「馬鹿を言え! 怖くなんて無いぞ」 とか言いつつも、相変わらず顔全体が引き攣っている。コップを持ったが、落としそうで見ているこっちが怖い。
「成さんは怖かった?」 響野よりも成瀬のほうがメインとばかりに、嬉々の笑みで成瀬のほうを見たが、の笑みは硬直してしまった。成瀬は首を捻っていたのだ。
「この話は聞いたことがある」 と言ったが、腑に落ちない表情だ。 「だが、何処かが違うかもしれないな」
「この話はバリエーションが豊富だからね」 やられた、とばかりに額を手で押さえて答える。まさか成瀬が知っていたとは、予想外だ。 「あたしは聞いたとき、知らなかったのに」
「有名だと思うぞ」
「嘘! カナダの日本人観光客に騙された」 実はこの話は、観光に来ていた日本人カップルから教えてもらったのだった。次に会ったら覚えてろ、と思ったが、知らないが悪いのだ。
「じゃあ、これはどうだ」 と呟く。一度だけ咳をして、目を閉じた。


 これは、アメリカで聞いた話だ。一人暮らしの女性の部屋に、友人が遊びに来た。その友人とは昔からの親友で、いつも彼女の部屋に上がりこんでは、深夜まで飲み明かしていた。彼女も、明け方に帰る友人を疎ましく思うはずも無く、寧ろ歓迎したため、さほど迷惑と思うことも無かった。
 この日も、友人が上がりこんでいた。夜もすっかり更け、真っ暗になっても宴会は続く、はずだったのだが。この日だけは違っていた。酒の肴の枝豆を落とし、拾った友人は見てしまったのだ。真っ青な顔で、彼女に言った。
「ねぇ、ちょっと買い物に行かない?」
「買い物?」 彼女は不思議に思った。まだ冷蔵庫の中にはたくさんのビールが入っており、つまみも切れていなかった。 「まだいいじゃない」
「でも、どうしても食べたいものがあって。買いに行こう」 友人は、必死で訴えた。どうしても行きたいみたいだが、どうして一人で行かないのだろうか、と疑問に思った彼女は、渋々頷いた。 「仕方ないわね。じゃあ一緒に行こう」
 財布と携帯を持って、彼女は友人に引っ張られながら外を出た。そんなに急かさなくてもいいじゃない、と呟きながら、ドアを閉じた。鍵を閉める。カチャン、と音がし、ちゃんと鍵が閉まったのが分かった。
「で、何処に買いに行くの?」 振り向いた彼女は、仰天してしまった。青褪めた友人がとてつもなく震えているのだ。血相を変えて、何度もドアを指差しながら、信じられないことを言った。
「あ、あんたのベッドの下、見た?」
「いいえ、見てないけど」
「男が、包丁を握った男が蹲っていたのよ!」
「はぁ?」 冗談にしか聞こえなかった。事実、彼女は今日一日家から出ていなかったのだ。ビールやつまみは全て友人からの差し入れだったため、買出しに行くことも無かった。一日家から出ていないのに、いつ忍び込むことが出来たのか。とても気味が悪い。
 だが、友人が嘘を言っているようには見えなかった。まるで殺人現場を目撃したかのように、真っ青な顔になって慌てふためいていたのだ。演技でここまで出来るわけが無い。
「本当に居たのね?」
「ほ、本当よ! つまみを落としたときに見ちゃったの」
 信じた彼女は、持ってきていた携帯電話で警察を呼んだ。このとき、携帯を持ってきていて良かった、と心の底から思ってしまった。もし本当なら、家には入れない。いつ殺されるか分からないのだ。
 数分後、警察が到着した。数人の警察が先に入って調べたが、ベッドの下は愚か、どの部屋にも隠れている男は居なかった。念のため、彼女達も入ってみたが、確かに人の気配は感じられなかった。
「やっぱり冗談だったのね」 彼女は苦笑いを見せた。信じられないとばかりに目を剥いている表情も、全て演技なのだろう。彼女は警察に謝罪し、これから飲む気にもなれなかったため、友人も警察と一緒に帰らせることにした。 「何かあったら、すぐ連絡してよ」 と言い残し、不安な面持ちをしながらも、友人は警察と帰っていった。
 全く、人騒がせなんだから。そう思っても、半分は信じてしまっていたため、安心感があった。本当に誰も居なくて良かった。
 彼女は知らない。
 ベッドの下には、包丁を握った男が蹲って、安堵の表情をした彼女を見ていたことを。


 話し終えたは、様子を見ながらもう一口コーヒーを飲んだ。
「きゃー、怖い」 またしても逸早く反応したのは、久遠だった。きゃー、と絶叫しながら隣の響野に抱きついた。響野も怖かったのか、抱き付き返す。
「お、お前、自分で話して怖くないのか?」 恐怖のあまり、流石の演説者もしどろもどろだ。 「だって一人暮らしの女性だろうが」
「あ、あたしは怖くないもん」 抱き合っている響野と久遠を呆れた目で見て、まずは雪子に訊ねてみた。 「雪ちゃんはどうだった?」
 この話は流石の雪子も驚いたみたいだ。目を見開いて 「これは怖いわね」 と言った。 「一度姿を消してたのよね? その間何処に居たのかしら」
「そうだよ。そこがまた怖いんだって!」 久遠が喚く。 「流石の成瀬さんも怖かったんじゃない?」
「そうだな」 成瀬はやはり無表情だ。 「そのあと、男に気付いた彼女は、恐怖で一杯だったはずだ」
「女性の心配ですか」 思わず落胆してしまった。この人は驚くということは無いのだろうか。寧ろ、目の前で死体を発見しても、動揺を見せないのかもしれない。
「成さん、どうやったら怖がってくれるの? ううん、怖がらなくていいから動揺して」 懇願してもどうにもならないことは分かっていたが、このままでは悔しいだけだ。何のためにこの場を設けたのか。分からない。みんなの怖がる顔が見たかったために、都市伝説を教えてもらったのではないか。
 の切実な願いに、成瀬が困惑の表情を見せたその時だ。室内なのに、髪が揺れるほどの風が吹いた。風で蝋燭の火が消える。突然のことに成瀬以外の全員が吃驚した。
「きゃあぁっ!」 たちまち声を上げたのは、何を隠そう、だった。 「何なに? なんなの」 と声を上げながら、咄嗟に隣に抱きついた。思わぬ人物が怖がったため、響野や久遠、雪子は呆然としている。そして抱きつかれた成瀬はその行動に驚いたのだった。一瞬動揺を隠せなかった。
 我に返ったが、丁度飛び退いたときに、電気が点いた。突然の灯りに目が馴染まず、何度も瞬きしてしまった。
「あの人を驚かそうと思ったら、ちゃんが驚いたわね」 カウンターの祥子が笑った。近くには、扇風機が置かれている。一連の騒ぎは祥子が起こしたのだった。
、お前何だかんだ言って怖かったんだな」 すぐさま響野が笑った。 「どの口が 『怖くない』 って言ったんだ?」
 言葉が詰まる。成瀬に怖がって欲しい一心で、都市伝説を話しすぎた。反省の表情で、呟く。 「最後の話はね、あたしも聞いたときは怖かったの」
」 笑いながら、成瀬が言った。 「 『鼠を追い出そうとして、家まで焼くな』 っていう諺を知ってるか?」
「ううん、知らない」
「小さな問題を解決するために、それ以上の大きな犠牲払うのは意味がない」 代わりに響野が答えた。 「成瀬を驚かそうとするあまり、自分が驚くからだ」
「何かに熱中して我を見失うのは、らしいわ」 雪子も、くすくす、と笑っている。 「ねぇ久遠?」
「でも失敗しちゃ元も子もないよ」 そう言いながらも、久遠にまで笑われてしまった。
 意気消沈して、コーヒーを一口飲む。蝋燭の火の近くにあったからか、コーヒーはもう温くなっていた。
の懇願には応えたんだが」 と、呟いた成瀬の言葉は、の耳には入らなかった。



□ author's comment...

 これはわずか4時間で書き上げた、渾身の力作!・・・嘘です(笑)
 全体のストーリーよりも、都市伝説を調べるのが大変でした。怖くて怖くて・・・。
 「猫レンジ」と「マンションの一室の窓から見つめる女性」は知りませんでした。
 「ベッドの下の男」は、何かで見たんですよね。何だったかなぁ。怖かった思い出が(涙)
 都市伝説は大体を基にして、神南がストーリーにしたので、不備があるかもしれません。
 ちなみにこれはWordで7枚。14ページ分だから読み応えあるかな?

 date.060812 Written by Lana Canna



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